賃貸物件への引っ越しで、もっとも気に掛ける点が引越し作業中の傷や破損のトラブルです。
「床や壁を傷付けてしまった」「建具を破損してしまった」など、賃貸は入居した時の状態に原状回復して退去することが前提となるため、このような傷や破損には十分配慮する必要があります。
そこで登場するのが養生シートや養生テープです。
今回は、この「養生」について、その役割やメリットについてご紹介します。
賃貸引越しで使う「養生」とは?
まずは「養生」について説明します。
『節制して養生生活をおくる』『静養のために地方に移り住んで養生する』というように、もともと「養生」とは健康に関する言葉として使用されています。
ですが、今回ご紹介する「養生」は多少意味が異なります。
ここでご紹介する「養生」とは、『家具の運搬などの作業で、運搬物や周囲への汚損を防ぐために用いる布や板、テープなど保護するために使用するもの』のことを指します。
引越し業者が荷物を運搬の際に、建物の壁や柱といった箇所に大きな板状のシートを張りますが、これが養生シートになります。
そして、それらを繋いでいくテープが養生テープです。
また、大型の家具(タンスや冷蔵庫)を運搬する際にすっぽりを被せる布が養生布です。
建物や運搬物に傷をつかないように配慮するためのものが「養生」なのです。
賃貸引越しで養生を使うメリット
養生を行わなくても、引越し作業を進めていくことは可能です。
とは言え、養生を行わないことで大きな損害もしくはトラブルに発展することが考えられます。
ここでは養生を行うメリットについて、ご紹介します。
上記でもご紹介したように、建物や運搬物に傷をつけないようすることが養生の最大メリットですが、そこから生じるメリットについても紹介しましょう。
主に下記のようなメリットがあります。
・無駄な費用をかけないようにするため
・契約上のトラブル回避
・近隣トラブルへの配慮
「無駄な費用をかけないようにするため」とは、賃貸物件は退去時に入居時の状態に原状回復して退去することが前提となります(経年劣化による状態は基本的には除きますが、詳しくはその物件の賃貸契約内容に添います)。
入居の際の引っ越し作業で傷をつけてしまった場合にも、退去の際に元の状態に戻さなくてはいけません。
このような費用負担を避けるためにも、養生を行う必要があります。
「契約上のトラブル回避」については、最近の賃貸契約には『引越し作業の際には養生すること』という内容が盛り込まれているものが増えてきています。
ついつい見逃していた…などの理由で、養生をしなかったことで契約違反となりトラブルに発展してしまうケースもありますので、注意が必要です。
「近隣トラベルへの配慮」とは、養生をしないことで作業音が響いてしまったり、マンションなど共有箇所が多い住居への引越しの場合、エレベーターやエントランスなどを傷付けてしまい復旧作業に時間を要し、他住民にまで迷惑を掛けてしまった…という問題に発展することが考えられます。
これから日々の生活を送る上で、隣近所との余計なトラブルは避けたいものです。
ご自身が思っている以上に、引越しの際には隣近所も『どんな人が引っ越してくるのだろう』と興味を持たれているものです。
引越し直後からトラブルを起こさないためにも、できる配慮はしておくべきと言えるでしょう。
まとめ
賃貸物件の引越しに養生が必要な理由、およびメリットについてご紹介しました。
大手の引っ越し業者であれば、こちらから依頼しなくても養生しながら作業を進めてくれることでしょう。
万が一個人業者へ依頼する場合には、養生の有無ならびに料金についても確認しておくことをおすすめします。
気持ちよく引越し作業を完了し、新居で新たな生活のスタートを始められることを願っております。